テクノロジー

送風機

多様な送風機群から最も省エネな送風機を選択できます。

省エネを考える上で、送風機の高効率化が求められています。クボタは3種類それぞれの特長を持つ豊富な送風機群の中から、最も省エネな送風機を選択できます。

送風機の種類と特長

種類多翼型送風機プラグ型送風機翼型送風機
風量 (m3/h)1,700〜35,000500〜80,00015,000〜120,000
静圧 (Pa)〜1,300〜2,000〜2,000
(超高静圧 Max3,000Pa)
静圧効率 (%)Max 60%Max 70%Max 80%
羽根断面カーブした板状カーブした板状翼型
吸い込み両吸い込み片吸い込み両吸い込み・片吸い込み
リミットロード特性無し有り有り
特長シロッコファンと呼ばれ、広く一般に使用されている。回転数も低く、騒音も小さい。風量・静圧のカバー範囲が広くモーター直結が標準なのでメンテナンスが容易。
(ベルト・軸受不要)
一般的にエアフォイルファンと呼ばれ、最も効率が良く高静圧な範囲も対応可能。
省エネ性
メンテナンス性
静音性
イメージ図
外観
直径267~635mm (8サイズ)257~1413mm (18サイズ)622~1022mm (8サイズ)
羽根枚数38〜48枚7枚10枚
適用範囲イメージ

風量制御装置

風量減少時の動力削減は省エネに直結しますので、効果的な風量制御装置を選定することが大変重要になってきます。

一般的に建物はピーク負荷で計算されることが多くその使用状況、一日の時間帯、季節によって負荷は大きく変動します。その負荷変動に従い空調機送風量を可変することができれば大きな省エネルギーに繋がります。

風量制御装置はスクロールダンパ・インレットベーン方式とインバータ方式などがあり、特にVAV制御(自動による可変風量制御)の場合は、省エネ性・制御性で優れているインバータ方式が採用されています。

それら制御方式による送風機軸動力を比較すると右のグラフとなります。

各制御方式の軸動力比較表

図は風量17,000m3/h、静圧130OPaの場合の風量比に対する各種風量調整装置の軸動力の低減状態を示す。

風量制御装置の種類と特長

種類スクロールダンパインレットベーンインバータ
対応送風機シロッコファンシロッコファン・リミットロードファン送風機種類の制限無し
特長ダンパーをファンスクロールに添って内部に取り付け、それを動かすことにより吐出側の開口面積を可変させる。吸い込み側に設置されたベーンの角度を可変させなが開口の面積を可変させる。商用電源を一旦、直流に変換しインバータ回路で任意の周波数の交流に変換しモーターの回転数を可変させる。
回転数一定一定可変
省エネ性
風量制御性
VAV制御対応

コイル

最適選定ができる豊富なコイル群

コイルは空調機の性能に大きな比重を占めている心臓部です。また初期の運転性能だけではなく長期的に安心して使用できる信頼性を要求されます。当社の空調機用コイルは一般空調はもちろん産業用空調にも安心して使用できる信頼性の高い製品です。また、コイルの選定の良し悪しはシステムの信頼性に大きく影響を与えます。

最適なコイル選定はファン・ポンプの動力を低減し省エネルギーに直結します。

その為、コイル通過風速、列数、チューブ内水速、フィンピッチ等を総合的に判断し、選定する必要があります。

クボタ空調はあらゆる条件に対応できる豊富な種類のコイルを取り揃えており、その中から最適な選定を選定いたします。





クボタコイルの特長

  • コイルヘッダーには強い耐食性を持つ鋳鉄を使用。
  • 鋳鉄だからこそ可能な特殊形状。
  • 熱交換効率を高めるウェーブフィン。
  • フィンは耐蝕性を高め、凝縮水飛散防止に効果のある親水性コーティング。
  • 水量・送水温度差に合わせた豊富な種類のヘッダー。
  • 蒸気コイルは二重管式で縦・横設置可能。
  • フィンピッチは自由に設定できるIVS(Infinity Variable Fin Spacing)コイル。
  • ヘッダーの防錆処理はケーシング同様カチオン電 着塗装。
優れた耐久性と高い性能を誇る、
鋳鉄製ヘッダーの採用

クボタは標準で耐蝕性の高い鋳鉄製ヘッダーを採用しているので長期間にわたって安心して使用いただけます。

異種金属接触腐食について

電解質溶液中に異種金属を接触させ浸漬させると、イオン化傾向の大きい(卑なる)金属が腐食することがあります。しかし、この腐食速度はその金属の面積比により大きく異なります。卑なる金属(鉄)の面積が貴なる金属(銅)のそれより大きいときは、腐食速度は問題にならないくらいに小さくなることが分かっています。

銅チューブを鉄(鋳鉄、鋼板)にカシメることにより締結する方法は、冷凍機の「シェル&チューブ式熱交換器」などで、昔から広く使われている方法です。

優れた耐久性をもつ、鋳鉄製ヘッダー

鋳鉄製ヘッダー

  • 鋳鉄は腐食に強く、素材が厚いので耐久性に優れています。
  • ヘッダーがテーパー形状になっているので、各チューブへの水量を均等にすることが
    できます。
  • ヘッダーにネジ付プラグが付いているので、チューブの点検・清掃ができます。
  • ヘッダーとチューブがカシメにより締結されているので、安定した品質が得られます。

凹型コイルケーシング

  • ケーシングを構成している部材を凹型にしているので、高い剛性を得られます。
  • 凹型ケーシングの底部がトイ状になっているので、スムーズに凝縮水の排出ができます。
  • 亜鉛鋼板の上にカチオン電着塗装を施しているので、強い防錆力を得られます。

塗装

CO2削減、廃棄物削減、環境に優しいカチオン電着塗装

従来、下塗り塗装は作業者によるスプレー吹き付けが主流でした。この方法は塗着効率が悪く塗料の大部分を大気中に捨てており、また品質は作業者の技術に大きく左右されるものでした。そこでクボタは業界で初めてカチオン電着塗装を採用しました。

カチオン電着塗装は、高防錆力塗装として自動車から家電製品、建築資材等に幅広く下塗りとして使用されてきました。また、塗着効率・塗料回収効率に優れ且つ鉛フリーの水性塗料を使用しているのでVOC(揮発性有機化合物)の発生が少ない環境配慮型塗装として広く知られています。

カチオン電着塗装(Cathodic Electro-Deposition)とは?

部材を水溶性塗料中に浸漬して、部材を陰極(ー)、電着槽を陽極(+)として、この間に直流電流(300V)を流すことにより電気的に塗料の微粒子を部材に引きつけ均一で緻密な塗膜を形成する方法です。

この塗装方法は塗料が部材の狭い隙間まで入って行き、全表面に均一な塗膜を形成します。

電着槽から引き上げたとき、水に不溶でかつ含水率の少ない塗膜が得られ、経済的で安全な焼付けを行うことができます。

塗装イメージ


塗装工程

カチオン電着塗装の特長

  • 高い防錆力

    作業者の技術に頼らない電流値管理による浸漬型塗装です。部材の局面、エッヂ部でも均一な塗膜が形成され、更に塗料にエポキシ系を使用しているので高い防錆力が得られます。

    オフガス対策としても効果的です。

    電着塗装後約170℃の温度で焼付けを行います。
    そのときに塗料中のケミカル成分が飛散するので常乾塗装と比べオフガス対策に有効です。

  • シックハウス(室内空気汚染)にも対応

    室内空気の汚染源の一つとして塗料などに含まれる有機溶剤が発生する揮発性有機化合物(VOC〜Volatole Organic Compounds)があるとされています。

    • 塗装作業が自動化され最適化が図られておりCO2削減に繋がります。
    • 鉛フリーの水溶性塗料なので引火性・有毒ガスの発生がなく安全です。
    • 塗料ロスが少なく、塗料回収率も高いので塗料の使用量を削減できます。
  • 環境に優しい塗装です。

    室内空気の汚染源の一つとして塗料などに含まれる有機溶剤が発生する揮発性有機化合物(VOC〜Volatole Organic Compounds)があるとされています。

    • 塗料中に微量(PPM)単位に存在するキシレン・エチルベンゼンは塗膜焼付け時に飛散します。
    • スチレンはアクリル樹脂の素材料として使用されますが反応に全てが消費されているため存在しません。
    • 上記以外の規制対象となるユリア・メラミン・フェノール・レゾルシノール樹脂等は電着塗料には配合されていません。
    • F★★★★の規制対象外の塗料を使用しています。

カチオン電着塗装は吹付塗装に比べ、エッヂ部を含め均一な塗膜形成が得られます。それにより高防錆性が確立され、製品の耐久性を大幅に強化しました。

塗膜断面モデル


塗装効率


カチオン電着塗装を施したファン

外装パネル

「強さ」・「軽さ」・「断熱性」に優れ、「環境にもやさしい」サンドイッチ構造パネルを採用。

クボタは内外板ともガルバリウム鋼板を使用したサンドイッチ構造パネルを採用しています。

強さ・軽さ

従来のシングルスキンパネル(単板)ではどうしても剛性に乏しく、特にクリーンルームなどの高静圧仕様の場合は補強が必要となりパネル重量が重くなっていましたがサンドイッチ構造パネルにすることにより解消されました。

ボックス状に組み立てた中に硬質発泡ウレタンを圧入するので軽量で高い剛性を持っています。

シングルスキンパネルと比較し高静圧でもエア漏れ・変形の心配がありません。

環境に優しい

  • ウレタンフォームは環境に配慮しノンフロン対応をしています。
  • パネル外周部のAES樹脂モールには塩化ビニールが含まれていません。
  • ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛の合金メッキなので耐蝕性が高く塗装が不要です。無塗装にすることで塗料、及び塗装時間の削減となり省エネ・作業環境向上に大きく貢献します。

断熱性

断熱材はグラスウール保温板の代わりに硬質発泡ウレタンを使用しています。

圧入されたウレタンはパネルの隅々まで回り込むので均一で高い断熱能力を得られます。(断熱性能はグラスウールの約1.7倍)

グラスウール保温板と比較しパネル結露の発生を低く抑えられるので結露が原因の錆びが発生し難くなりました。

オプション

  • 特殊対応としてステンレス鋼板によるサンドイッチ構造パネルも製作できます。
  • 遮音性能を上げるため板厚も変更可能です。(標準板厚は0.6mmですが1.2mm厚も対応可能)
  • 低騒音仕様としてサンドイッチ構造パネル内部に遮音材を入れることが可能です。
こんなところに最適です
  • 空気の触れる面がガルバリウム鋼板のため、従来のパネルと比較し二次発塵の心配がありません。
  • 病院・クリーンルームなどに最適です。
  • 断熱材に硬質発泡ウレタンを使用しているので吸水性がありません。
  • 食品工場・動物舎用空調機の様に定期的に機内を洗浄する必要がある場合は非常に便利です。



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